1.開成は、国語を重視する
開成中学の入学試験においては、国語が重視されています。算数が上位層の間で余り差がつかない
であろうことを考えると、配点以上に合否のポイントになっているのではないかと考えます。
国語の入試問題は単に国語力を判定するだけではなく、受験生の価値観、人生経験、教育環境までもが明らか
になるため、重視されているのだと思います。
開成中学では、平成13年に全て記述式の設問となって以来、16年には大幅に難化するなど、受験生にとっては
非常に克服し難い「厄介な」科目となっています。
2.18年の入試問題について
18年の国語の問題は、小説と随筆の長文読解が2問出題されました。問題文は比較的読み取り易いもので
ありましたが、いざ解答を書こうとすると結構難しかったと思われます。
第1問:出典は 永井龍男「黒い御飯」
テーマは「家族の愛情」
「言い換え」が4問(うち1問は選択式)
「理由説明」が1問
テーマが読み取れていれば、各設問ともにある程度の部分点が期待できたと思います
第2問:出典は 石井政之「人はあなたの顔をどう見ているか」
テーマは「ハンデある者(弱者)に対するいたわり・思いやり」
「内容説明」が1問
「ミニ論文」が1問
「漢字書き取り」が4問
「ミニ論文」に対する対応力で得点に差ができたと思われます
3.解法のポイント
国語の問題は、大きく2種類に分かれます。1つは「言い換え」または「内容・理由説明」。
もう1 つは「ミニ論文」であります。
「言い換え」等の問題は、「抽象を具体化する」「著者独自の表現を一般的な表現にする」「事実描写から心情を
表現する」ことが求められます。よって、基本的には文中の言葉・キーワードを使って第3者に判るように説明する
ため、比較的対応しやすいと言えます。
「ミニ論文」は、自らの経験、考え方に基づいて、自分の意見をまとめることになります。
今年の入試問題において、最大の出題者のメッセージがこの「ミニ論文」にこめられており、正に受験生の
単なる国語力だけでなく、人生経験に基づいた価値観が問われ、どのような教育を受けてきたかが試されていると
思います。
こうした出題のパターンは、東大の入試問題に酷似しています。
4.今後の対策
今後の対策としてどのような勉強をすればよいか、については直接お問合せ頂きたいと思います。開成中学の国語について